2021年8月に楽天モバイルから、『10分(標準)通話かけ放題』オプションの提供が開始されました。
※2023年11月現在、15分かけ放題として提供されています。
せっかく通話無制限をウリにしているのに、わざわざ有料の通話オプションを付けるなんて意味が分からない…。
そう思う方も多いはずです。
通話オプションを導入した理由と、楽天リンクが抱えている問題点と解決策について解説します。
Contents
楽天はなぜ15かけ放題オプションを導入した?

結論から言うと、楽天モバイルが無料通話アプリ「楽天リンク」があるにも関わらず、無料通話オプションをつけたのは、お金を払ってでも楽天リンクを使いたくないとの要望が多いからです。
追加料金なしで無料通話が使える「楽天リンク」。
ここまで大胆なサービスは今までどのキャリアにもありませんでした。
それなのに楽天リンクを使いたくないというのは、楽天リンクの使い勝手が良くないからに他なりません。
どのような問題点があるのか?
対応策はあるのか?
調べていきましょう。
通話品質が良くない
まず通話品質が良くない・通話が途切れるなどの悪評が目立ちます。
ツイッター上を調べてみても、とにかく通話品質が良くないという口コミが目立ちます。
原因として考えられるのは、楽天エリア・パートナーエリアの電波状況が良くない。
一番はこれです。
まだまだ楽天のアンテナ設備は整備中で十分とは言い切れません。
おまけに建物の中など障害物に強い電波、プラチナバンドもまだ割り当てられていない状況です。
キャリアが送信する電波のうち、700~900MHzの低周波帯のこと。
通信速度は遅くなるが、建物の中などの障害物がある場所では電波が回り込んでくれるので、つながりやすい特徴を持つ。
キャリアには安定してつながることも求められるので、サービスを提供する上で非常に大事な電波。
新規参入のキャリアにはすぐに割り当てられることはない。
2021年現在、楽天モバイルにもプラチナバンドは割り当てられていない。
エリアの電波状況については人それぞれ違いがありますので、ひとくくりには言えません。
正直契約してみて思ったより電波つながったらラッキー!的な要素があるのは確かです。
アプリ自体の使い勝手が良くない。とくに電話帳の仕様に対してのクレーム多い。
楽天リンクはアプリの使い勝手自体が良くない評判も良く目にします。特に目立つのが電話帳の同期についてです。
楽天リンクにログインして最初に驚くのが、GoogleアカウントやAppleIDなどのアカウントと同期して登録されている電話帳がダウンロードされてしまうこと。
はじめてつかうはずなのに、すでに電話帳に登録されていて気持ち悪い…みたいな感じになります。
2021年11月現在、同期するかどうかは選択できるようになっていますが、それを最初から知っている人はごくわずか。
【ご注意】
・本人以外のGoogleアカウントまたはApple IDが連携された製品でRakuten Linkへログインした場合、その情報も同期される場合があります。
そのため、普段利用されていない製品でRakuten Linkへログインした場合、その製品に登録されている電話帳や連携している各種アカウントに登録された電話帳が、Rakuten Linkの電話帳に同期される場合がありますのでお気をつけください。
個人情報の観点からもこの辺りの設定は慎重に見直してほしいですね。
恐らく使いやすいように…ということでこのような仕様になっているのかと思いますが、ここはユーザーがちゃんと選べるようにしてくれないとだめです。
他にもなにしろ『使いづらい…』という評判が多い!
楽天側のアップデートで改善されるのを待つしかありません。
iPhoneの場合、楽天リンクの着信履歴に残らないのでかけ間違いが発生する
iPhone版の楽天リンクでは少し仕様が変更されました。
着信時楽天リンクアプリに着信することはなくなり、全てデフォルトの電話アプリに着信するようになりました。
通話品質の評価が低いままなので、せめて着信時はデフォルトの電話アプリに着信させて通話品質を保とうという考えなのですが、これによって楽天リンクに着信履歴が残らないという問題が発生しています。
電話帳はしっかり同期するのに、着信履歴は同期しないんですね。
なので着信履歴をタップして電話をかけ直すという普通の動きをすると、そのままデフォルトの電話アプリからかけ直しになってしまって、無料通話にならなくなってしまいます。
自分でも気づかないうちに『非通知発信』してしまい周りに迷惑がかかる
そして楽天リンクの特徴のひとつに、Wi-Fi接続のみでも利用できるということがあります。
なんと楽天のモバイル通信をOFFにしてしまっても、Wi-Fi経由でインターネット接続されていれば電話をかけられるのです。
これって海外などでもインターネット環境があれば、電話が使えるということなので、考えようによっては非常に便利です。
しかしWi-Fi経由でかかってきた電話の場合、相手に通知される番号が非通知になってしまうという問題が発覚しています。
事前に相手にも非通知になってしまうということを伝えていればまだ良いですが、知らずにいきなり非通知で着信あったら普通の人は出ませんよね。
楽天リンクの問題点に対して解決策はある?

紹介したように楽天リンクには問題点が多いのは事実です。
使うのに尻込みしてしまいますが、問題点にはそれぞれ解決策もありますのでひとつづつ紹介していきます。
通話品質に対しての対策
前項で紹介したように、電波が悪い事に対しての対策は基本的に楽天モバイルのアンテナ整備を待つしかありません。
2022年2月時点で、人口カバー率96%と発表されました。
大手3社はいずれも人口カバー率99%なので、まだ繋がりやすさには課題が残っています。
しかしそれとは別の原因として、街中などで移動しながら通話しているときにWi-Fi接続に切り替わったときに通話が途切れることもわかりました。
楽天リンクはインターネットを利用した回線なので、このような事案も発生するようです。
別記事で内容まとめてあります。
こちらもご覧ください。
これが原因で通話の途切れが発生している可能性も高いので、一度チェックしてください。
かけ間違いに対しての対策
とくに、iPhone版の楽天リンクは着信履歴から発信することが出来ません。
これには電話番号をコピペして楽天リンクの発信画面に貼り付けてかけ直す…などの対策が必要です。
しかし、これには手間もかかります。
私が発見したかけ直し方法なら、いちいちコピペする必要がありません。
その方法はこちらの記事の中で詳しく解説していますので、ご覧ください。
楽天リンクをiPhone版で使う人は見ないと損をする⁉覚えておくべき注意点【改悪に注意しましょう】
非通知になってしまうことへの対策
楽天リンクの発信で非通知になってしまうのは、Wi-Fiだけでつながっている場合。
Wi-Fiにつながっていたとしても、モバイル通信もONのままなら通話するときは自動的にモバイル通信に切り替わり非通知発信になってしまうことはありません。
Wi-Fi接続時でも、モバイル通信を切らない様にしましょう。
10分かけ放題の概要

10分(標準)通話かけ放題の概要を改めてまとめます。
OSの標準電話アプリでの国内通話が、1回10分以内であればかけ放題。
国内SMSの送受信が使い放題になるサービス
月額1,100円
- 一回あたりの通話が10分を超えた場合は、30秒20円の通話料がかかる。
- 国内から海外への通話・SMSは、10分かけ放題の対象外。
- 10分かけ放題オプションに加入していても、楽天リンクでの国内通話は無料で併用可能。
- 日割り対象外。
他社のかけ放題オプションとの比較。15分かけ放題としては、一番高い。

ほとんどのキャリアには無料通話オプションがあります。
代表的なキャリアと比較すると…。
キャリア | サービス名 | 内容 | 料金 |
UQモバイル | かけ放題(24時間いつでも) | 完全無料通話 | 1,700円/月 |
かけ放題(10分/回) | 10分以内の通話無料 | 700円/月 | |
通話パック(60分/月) | 月60分以内の通話無料 | 500円/月 | |
ワイモバイル | スーパーだれとでも定額 | 完全無料通話 | 1,870/月 |
だれとでも定額 | 10分以内の通話無料 | 770円/月 | |
OCNモバイルONE | 完全かけ放題 | 国内通話完全無料 | 1,430円/月 |
10分かけ放題 | 10分以内の通話無料 | 935円/月 | |
トップ3かけ放題 | 通話料の多い3番号が無料 | 935円/月 |
主なキャリアの無料通話オプションだけあげてみましたが、これをみても楽天モバイルの今回の1,100円/月がいかに高いかがわかりますね。
同じ内容の10分かけ放題を比較しても一番高額です。
今までデータ無制限・通話無制限など大胆なプランを打ち出してきた楽天モバイルだけに、このオプション料金が高いのにはがっかりした方も多いかもしれません。
楽天モバイルの15分かけ放題オプションは利用するべきか?しないべきか?

楽天モバイルの料金プランの魅力はデータ通信無制限、通話無料と二つの無制限があること。
通話オプションをつけてしまうと通話に料金がかかるようになってしまうので、極力つけたくはありませよね。
しかもオプション料金としては、15分かけ放題にしては高いので慎重に検討する必要があります。
しかし、大事な仕事の電話を楽天リンクの音質でするのは不安がある…。
という人であれば楽天にこだわる必要はありません。
まだ品質が保証されないからこそ楽天モバイルは料金が安いのです。
料金より品質を求める…という人には元々向いていないキャリアです。
料金と品質どちらも求めるということなら、サブブランドであるワイモバイルorUQモバイルを選んだ方が良いでしょう!
楽天モバイルの魅力⇒通話かけ放題⇒楽天リンクいまいち⇒解約続出。負のスパイラルから抜け出せるのか?

楽天モバイルに15分かけ放題が出来た理由を考えてみました。
楽天リンクは非常に魅力的なアプリです。
追加料金なしで通話かけ放題を実現したのは、楽天モバイルが初めてです。
しかしこのくらいしないと、新規のユーザーを獲得できないのが今の楽天モバイル。
アンテナ設備やプラチナバンドなど、安定してつながる条件を整えないとキャリアとして戦うのは難しいでしょう。
なんといってもキャリアの通信にはプラチナバンドが必要です。
もし、楽天モバイルがプラチナバンドを獲得するようになれば、この破格のプランは強力な武器になるでしょう。
今後のニュースにぜひ注目してください!