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ついに発表された、ドコモの新料金プラン『アハモ』がちょっとガッカリな理由。詳細を解説します。
先日ついに発表された、ドコモの新料金プラン『アハモ』。
2020年発足した菅政権の肝いり政策の一つ、『携帯料金の値下げ』に最大手のドコモがついに答えた形として注目されている方も多いと思います。
今後の通信業界の在り方に大きな影響を与えるであろう今回の発表の詳細を、当然当サイトでも注目して調べてみました。
しかし、調べていけばいくほど今回の新料金プランにはちょっとガッカリなポイントが多いんです。
そんな疑問をお持ちの方に、私チチ猫が調べたドコモの新料金プランの詳細と注意点をまとめましたのでご覧ください。
アハモ申し込みにはMNP転出手続きが必要
まず何といっても驚いてしまったのは、アハモに申し込む為には
『MNP転出手続き』が必要ということです。
MNPってなんだ?という方はこちらの記事もご覧ください。
要は同じドコモではあるけれど、いったんドコモから離れて『アハモ』という新料金プランに乗り換えないといけないということです。
『新料金プラン発表』
と聞いた時点で、乗り換え作業が必要と思っていた方がどれだけいたでしょう。
どこキャリアにおいてもされるのに、料金プランを適用されるのにそのプランに乗り換えないといけないというのは聞いたことがありません。
恐らくアハモの料金設定自体が、サブブランドとしての料金設定として考えられていたものなのではないでしょうか?
今回の料金プランはあくまでドコモユーザー向けとはなっていますが、低料金を求めるユーザーへのサブブランドが新設されたのと同じです。
MNPが必要となっていることで、いままで加入していたプランに適用されていた割引サービスも適用されませんし、
長く加入していた方が割引されていた『ずっとドコモ割』の年数もリセットされてしまいます。
この辺りの条件を見ただけで、『え?じゃあ、プラン変更やめておく・・』という人も多いと思います。
『@docomo.ne.jp』のキャリアメールが使えない
さらにいままでつかえていた、『@docomo.ne.jp』のキャリアメールが使えなくなります。
アハモ自体にキャリアメールのサービスが付与されていないので、メールを利用したい方はキャリアメール以外のメールアドレスを取得しておく必要があります。
LINEやSNSの普及により、友だちや家族とのやりとりをメールで行う方は以前より格段に少ないでしょう。
でも、様々なサービスへのメール登録などをキャリアメールで行っている方も多いでしょう。
メールアドレスが使えなくなってしまうのも、プラン変更への障害になるでしょう。
複数まとめて申し込んでも割引が適用されない
アハモの料金設定は通信容量20GBで、月額2,980円の一種類です。
この料金自体は大手3社の中で最安なものになります。
料金設定は今までのキャリアの料金にしては、かなり大胆なものになったと思います。
しかし低価格に設定したことで、家族での乗り換えなどまとめて加入した場合の割引がなくなってしまいました。
『この金額なら一人ひとりが申し込んで、割引きがなくても安いでしょう?』
というのがドコモ側の言い分のようです。
通話が5分以内ならかけ放題
通話については、5分以内の通話であれば回数関係なく無料です。
5分を超えた場合は30秒あたり20円の通話料がかかります。
通話完全かけ放題もオプションで付けることができますが、その場合月額1,000円かかります。
サブブランドのワイモバイルなら、もともとついているかけ放題は10分間の通話。
他格安スマホキャリアも含めて、現在主流は10分かけ放題なので追加料金なしでついているのが5分はチョット物足りない印象です。
サブブランドとアハモの比較
あくまで『ドコモ本体の料金プラン』という言い分ですが、さきほどMNP手続きが必要と説明したように、MNPが必要な時点でドコモと別の乗り換え候補として考える必要があります。
必然的に比較対象はワイモバイルやUQモバイルなどの、サブブランドになるでしょう。
はっきりいって、いったんドコモをやめても構わないという人であればその二つも乗り換え候補になってきます。
ワイモバイルとアハモの比較
ソフトバンクのサブブランドである、『ワイモバイル』の料金プランと比較してみましょう。
現在ワイモバイルで取り扱いのある料金プランは、『スマホベーシックプラン』です。
通信容量により、3種類のプランを選択することができます。
スマホベーシックプランの料金表です。
Sプラン | Mプラン | Rプラン | |
基本料金 | 2,680円 | 3,680円 | 4,680円 |
新規割(6か月のみ) | -700円 | ||
おうち割or家族割 | -500円 | ||
月額料金 | 1,480円 | 2,480円 | 3,480円 |
新規割終了後 | 2,180円 | 3,180円 | 4,180円 |
データ容量 | 3GB→4GB※データ増量無料キャンペーン利用 | 10GB→13GB※データ増量無料キャンペーン利用 | 14GB→17GB※データ増量無料キャンペーン利用 |
通話料 | 10分以内国内通話無料 |
ワイモバイルの最大プランはRプランで、アハモの通信容量である20GBに届く大きな容量プランはありません。
しかし、2020年12月下旬よりサービス開始予定の新プラン
『シンプル20』が提供されることになっています。
月額料金 | 4,480円 |
通信容量 | 20GB |
容量超過後の通信速度 | 最大1Mbps |
通話 | 10分以内の国内通話無料 |
Rプランや新設される『シンプル20』と比較するのであれば、アハモのコストパフォーマンスは良いことがわかります。
また、ワイモバイルの特徴はどのプランにも追加料金なしで10分かけ放題がついていることです。
アハモのかけ放題は5分なので、その点はワイモバイルに軍配です。
『たった5分の差じゃん』
と思われるかもしれませんが、使ってみると5分間の差は結構大きいです。
UQモバイルとアハモの比較
続いてauのサブブランドである、『UQモバイル』の比較をみてみます。
UQモバイルの料金プランは『スマホプラン』です。
こちらは通信容量によって2種類に分かれています。
Sプラン | Rプラン | |
月額料金 | 1,980円 | 2,980円 |
家族割適用時 | 1,480円 | 2,480円 |
データ容量 | 3GB→4GB(データ増量時) | 10GB→12GB(データ増量時) |
通話料 | 20円/30秒 |
UQモバイルにも2021年2月以降に提供するプランとして、通信容量20GBのスマホプランVがあります。
Vプラン | |
月額料金 | 3,980円 |
家族割適用時 | 3,480円 |
データ容量 | 20GB |
通話料 | 20円/30秒 |
こちらもアハモと比較すると、アハモの方がコストパフォーマンスが良い結果です。
さらにUQモバイルの料金プランには、かけ放題がついていません。
必要な人はここにかけ放題オプションを付ける必要があります。
通話パック(60分/月) | 500円 |
かけ放題(10分/月) | 700円 |
かけ放題(24時間いつでも) | 1,700円 |
ライトユーザーにとっては、最安ではない。
ワイモバイル・UQモバイルと比較してわかるとおり、アハモと比較するなら通信容量が近いRプランとの比較でした。
さらに菅政権の要望に応えて新設された、『シンプル20』『スマホプランV』を比較してもアハモの方がコスパは良いことがわかります。
しかし、サブブランドにはそれぞれSプラン(基本データ容量3GB)があります。
Rプランについては比較してもほぼ同等でしたが、Sプランなら価格はサブブランドの方が安く済みます。
国内のほとんどのユーザーの通信容量は3GB以内に抑えられている。というデータもあります。
つまりほとんどのライトユーザーにとって、アハモの20GBの通信容量は多すぎて価格も高いということになります。
ライトユーザーへの通信容量の選択肢ができれば、今後プラン変更を検討する層も増えるでしょう。
申し込みはオンラインからのみ受付
アハモのプラン申し込みはオンラインからの受付のみです。
店舗での対応は基本的にしないということです。
大手キャリアのひとつのメリットは、サポートが手厚い事でした。
なにかあれば、全国各地に設置されているドコモショップへ出向いて対面で対応してくれる対応力がおおきなメリットでした。
自分で申し込みなどの対応をすることに不安がある…、という方にはちょっとおススメ出来ないということになります。
今後、対応するスタッフの人件費削減などの側面を考えれば、こういったオンラインでの申し込みなどは一般的になる可能性が高いです。
カンタンなものからで良いので、オンラインから変更や申し込みをしてみて慣れておくのは大事なことです。
まとめ:アハモはドコモユーザーには一番選びづらいプランになっている?
ついに発表されたドコモの新プラン、『アハモ』のガッカリポイントについてお伝えしました。
『20GB月額2,980円』という内容をみて『お?』と興味を持った方も多いでしょう。
しかしドコモユーザーが期待しているのは、既存のドコモというキャリアにいながら料金が安くなることです。
そうでなければ今まで長く使い続けて、恩恵を受けている『ずっとドコモ割』やキャリアメールを使い続けることも出来ないからです。
長く使い続けてきたドコモユーザーであればあるほど、ゆずれないその条件がチャラになってしまう『アハモ』という新料金プランは使いづらい結果になってしまうでしょう。
あくまで大手キャリアのドコモが値下げプランを発表した!
という体裁を保つために、新料金プランという言い方をしていますが実質はドコモのサブブランドに乗り換え。という考え方をする必要がありますね。